昨日のレースが終え、少し疲れも増してからの決勝だ。
先日も宿に泊まり、体は休めたつもりなのだが、何故かぐったり感がある。
それは
「天気が悪いから!」
雨だ。 雨が良いなんて
ブログに書いた記憶も少しだけあるが、でもやっぱりイヤだった。
雨は基本的に嫌いだった。走しっちゃえば良いよ。でも走る前は最悪の気分になりますな。
土曜組の仁さん、今尾さんは仕事の都合で帰ってしまったのでこの日の手伝いは心もとない。
そこら辺にいるやつ全部ライダーだ。
彼女、かみさん組にがんばってもらうしかない。 ぶつぶつ言われるのはレースが終わってから
我慢して聞く事にしよう。
急遽、手伝いで来てくれた将博さんにある程度の作戦を伝え、張さんとパソコンに入力して
もらう事にした。
昨日同様、ブリーフィングから最初の給油まで終わらせ、スタートを待つのだが、今日はあいにくの雨。
スタートはローリングスタートになってしまった。
ピットロードに並び、順々にコースイン。 この日のグリッドは・・・
なんとゼッケン147キャバクラ号が56番手、ゼッケン104ハヤブサ号がなんと66番手。
クジ運の無さに腹を立てつつ、ローリング走行。 もちろん50番以降なので2グループ目のスタートだ。
でもここで少し良かったのが、ローリング走行だとAグループの最後は見えている。
でもトップグループは離れ過ぎ。
がんばればすぐトップ集団に追いつくかも。 数台先には岩城滉一率いるチームイワキが見えている
ゆっくり2周回ってから最終ビクトリーを立ち上がってコントロールラインを通過したらいよいよスタート!
さすがにローリングスタートだけあって最初から結構ばらけています。
10台まとめてとか抜けません。 ちょっとづつ料理しながら、数周回って振り返りゼッケン104の坪を探す
来るだろうなと思っていましたが来ていない。
抜きながら3分4〜5秒で回っていると黄旗があちらこちらで出現している。
黄旗は追い越し禁止だ。
ごちゃごちゃ固まっている中での追い越し禁止はかなり辛い。
それは後ろの坪も一緒だった。 中々先に行けない状況が続き、ふとリーダーボードを見上げると
8位までは上がっていた。 目の前はチームイワキがいる。 なんとかトップに立ちたいなぁと
思いつつ、滑る路面と戦いながら、こけないように走行していた。でも何か雨で滑るよりも滑るなぁ??
いつもよりも多く滑っておりまーす状態で、ふとポストを見るとセーフティーカー導入〜!!
オイル漏れによるコース整理だ。
うお!またか!昨年もわずか5周でセーフティーカーが入りピットインをしたが今年も同じ状況に
なるとは思わなんだ。
ここで一瞬考える。 我がキャバクラ号はXR100ベースなのでガソリンタンクもXRのままの樹脂製。
容量は前日にメスシリンダーで測ったら、5.25リッター。 最初は空で3リッターを入れるレギュレーション
なので。もし、0.75リッターを消費していなければ、ここで給油に入ってもあふれる悲しさ。
でもウォーミングラップとサイティングラップも走っているし、大丈夫かなと思いつつ
雨だから異常に燃費が良かったらどうしよう。と悩んで悩んで
でた結論が
「余ったら余ったでしょうがないべ」
ピットイン決行。 給油隊にマシンを託す。 当たり前のように坪も入ってきた。
坪: 「黄旗だらけで思ったように走らせてくれない〜」
やはりそれで追いついて来なかったか。
DE耐では給油時10分の停止が義務なので雑談しながら時間が過ぎるのを待つ。
給油隊に確認すると3リッターぴったり入ったようだ。良かった。
コースを見るとまだペースカーが入っている。
10分が経つ少し前に前のほうに並ばせてもらい、タイムカードを押して
我がピットに入った。 2番手は斎藤さん。 今回が初レースだ。 表情からは緊張が伝わって
こない。肝がすわっているのかどうか。
コースインは全体がホームストレートを抜けないと出れない。信号が赤だ。
104番ハヤブサ号は次なるライダーは長谷川さんだ。
二人ともコースインをした。 革ツナギを脱いでモニターをみると、結構酷いオイル漏れ状態らしい。
でもエイプって元々オイルは1リッターくらいしか入らないのでこんなになるのか??と
不思議な感じだが・・・
ちょっとづつまんべんなく漏らしたようだ。
かなりの時間ペースカーが入っている。
ピットのモニターで掃除をしている様子をみるとまだまだ時間がかかりそうだ。
147番はすでに満タン状態なのでペースカー走行ではおそらくガソリンはほとんど減っていない。
104番はRS125のタンクを加工してつけているのでまだまだ余裕がある。
ここで長谷川さんには申し訳ないが2度目のピットインサインを出す事にした。
給油に入った場合はライダー交代をしなければいけないので長谷川さんはペース走行で
この走行は終わり。
ガソリンを貯め、ハヤブサチームは3番手永易さんに交代だ。
もう1時間も過ぎようとしているのにまだペースカー走行だ。
ここからモニターに釘付け。
見てるのは走っているライダーでは無く路面を掃除しているもてぎスタッフというなんとも言えない状況。
掃除具合を見て。「もう一度行くか!」 となんと3回目の給油に入る作戦を立てた。
ここで給油をしてガソリンをほぼ満タンにして後半ガンガン行く作戦だ。
次の均さんで規定周走らせて、エースライダー坪がガソリンを使い切るように作戦変更をしようと
考えていた矢先。
「もうすぐ掃除が終わってレース再開でーす」
とアナウンス。 う” 微妙なタイミングだ。
このまま走らせようか、もう一度給油に入るか!
迷ったが、このまま走らせよう!
終わるって言ってるし。
しかし・・・・全然終わらない。
もう一回入れれたジャン!!
と時間が過ぎ、ペースカーのフラッシュがV字コーナーで消える。
フラッシュが消えたと言う事はこの周でペースカー解除のサインだ。
いよいよレース再開。
斎藤さん、永易さんが初雨の中、レース再開だ。
ペースはどうでも良いや。 無事に走って来てくれと願って
モニターを見つめる。
斎藤さんは毎週帰って来る度に手を振っていてご機嫌が良いようだ。
淡々と雨の中レースは進む。
ピット内は色々と作戦を立てながらモニター見たり、牛串を食べに行ったりで大忙しだ。
帰ってこない。
ピットクルーから叫び声が聞こえた。
永易さんが帰ってこない!
急いでモニターを見るが、写っていない。
なんだ??! コケた?? 壊れた??
待つこと数十分。 トラックに乗ってドナドナ状態で帰ってきた。
状況を聞くと直線で急に吹けなくなって、ガチャって言って止まったと。
キックを降ろしてみるが、非常に重い状態だ。 「ダメだ・・・」 坪が叫ぶ 「とにかく給油に!」
だめだよ。このキックの重さは・・・と給油だけを終わらせ
ピットに入れた。
とりあえずバイクを寝かせ、クラッチカバーを開けてみる。 クランクのギアを外し
ミッションを回すが、正常だ。 プラグを外して燃焼室を見ても何も異常が見当たらない。
クランク回りだな。
こうなってはリタイアしかない。 昨日のマシンがあったのでエンジン乗せ変える案も出たが
昨日7時間走りきったエンジンをここで使用してもまた壊れる可能性も高い。 ましてや人のバイクだ。
ここはリタイアを決断しよう。 復帰したとしても順位はもう上げられない。
狙うのはベストラップか・・・ しかし雨のベストラップなんぞ条件が変わり過ぎるので意味の無い
自己満足に終わるだけだ。 もちろん完走!という目標もあるかもしれないが
なりふり構わずの状況でも無い。
男らしくあきらめよう。 レース後に原因を調べたらオイル切れによるクランク大端部の焼きつきだった。
前日の練習でオイルホースが抜けた時にエンジンにダメージを食らっていたようだ。なんともついて
いない。
プロップマンチームは147のキャバクラ号のみ残った。
斎藤さんから佐野に代わり、作戦通りの走行を律儀にやっている。
ここで作戦を立てた。 このまま佐野が全開走行をして次の第四ライダーゆーすけに渡す
ゆーすけで若干燃費走行をしてガソリンを貯める
もしガス欠症状が出たらリザーブに切り替えれば
帰ってこれる。 しかも300CCしか残らないよう、ガソリンタンクを下で繋いである。
ゆーすけで給油して私が最後走って終わり。 給油回数を減らす方向で作戦を立てた。
レース序盤のペースカー走行時にガソリンが貯められなかったツケだ。
佐野の走行は長い。 何せ満タン近くからの全力走行だ。
リーダーボードには我がゼッケン147がトップにいる。 ペースは3分3秒ほどなので問題は無い。
レース終盤。
牛串を買いにいく。
もうなるようにしかならないから、腹も減ったし。 食べていると佐野がいよいよ給油に入ったと連絡が
入った。 次はゆーすけでガソリンを稼いで最後は私で終わり。
はっきりってもうツナギは今日は着たくないと思っていたが(雨でぐっしょり) しょうがない。
先日の土曜組の藤田から電話が鳴る。
「キャバクラ号のアンダーカウルが金魚鉢みたいになってます!!どうしましょう!」
?
金魚鉢??(ー_-;)
なんだそれ??
「アンダーカウルに小石とか草とか入って水が満タン入ってます!」
はいぃ??
俺:「だってお前普通に走ってたらジャリも草も入らないんだよ!?」
俺:「あいつどこ走って来たんだよ!」
藤田:「転んだみたいです・・・・」
なぬぅぅぅぅうぅぅぅぅぅうううぅぅ!!
一体どこでいつ?? どうやって??
とりあえず、マシンは触るな!と指示。
DE耐では給油時ストップの10分間はマシンを触る事が禁止されている。 しかもちょっと触っただけで
「あーー!!あーー!!触った!!」オフィシャルに言われます。実話。
ピットに戻ってからジャリとか出して走るから!と言ってピットの誰かに電話。誰だか忘れた。
慌てて牛串を食べ。今回はブタもあった。
ピットに戻るとゆーすけが走っていく。 良かった。
でもジャリを取る事が伝わっていませんでした。
つまり金魚鉢ごとコースイン♪
まあそれは良いや。 おい佐野ちょっとこい。
お前はどこでコケたんだ。
「すいません3コーナーで・・・」
何故だれも気が付かなかったか。
1周目でした。 1周目はピットインタイムが入るのでストップウォッチ上では
10数分になる。 つまりワカラナイ。
うまいことやったな。
しかもコース脇でエンジンかけようとしたら怒られて はじっこまで押していき、エンジン始動して復帰と
いう手間のかかることをしでかしてくれました。
そんなこんなでゆーすけの走行。
燃費を稼ぐ為に人柱になってもらい、たんたんとペースを一定で走行。
本当はゆーすけも自分のバイクでDE耐にエントリーをするつもりだったが抽選に落ちてしまい
がっかりしている所で再抽選に受かった微妙な状況。
しかしマシンは昨年ひよこチームで自分が乗ったバイク。
雨は止む気配が無い。
もうレースのトップグループは絞られ、あそこはピットが何回だとかあそこはペースがどうだとか
最終的にどう落ち着くか検討。
ゆーすけがピットインだ。 作戦通りの燃費だと良いが。
10分停止が終わり、ピットロードをゆっくり走ってくる。
マシンを渡され、またがった瞬間。、 ??
左のグリップがねぇ。
佐野が3コーナーに忘れてきてしまったようだ。
とにかくレース中なのでそんな事はお構いなしにコースイン。
雨は依然降っている。
マシンの状況を確認しながら走っていると、高回転時にカラカラ!!とバルブヒットの音が出ている。
ん? パワーもかなり落ちている。 バルブガイドが逝ったか。
ガイドが逝くと次にリテーナーが逝く。 でも今回はリテーナーだけはスチールに変えていったので
回しすぎなければ壊れないと読んでいた。
いつもはバルブガイドはアルミ青銅で作成して入れていくのだが、今回は再抽選で受かってから急遽作った
マシン。間に合わなかった。
アルミ青銅で作っていればまず壊れる事は無い。 あんな強い素材は初めてだっていうくらい。
なんとかかんとか走るがタイヤはずるずる滑るし、バルブヒットの音はするし、
我慢のレースになってしまった。
途中、順位を確認しながら走行していると、回りで戦っているマシンは同じ順位だと気が付く。
最後に前に出れるようにブレーキングや加速で色々と試した。
これで最後の1周で前に出て、2位確定だ。 仮に出れなかったとしてもDE耐レギュレーションでは
同一周回が順位なので2位確定。
「無事に終われー」
心の中で願いつつ。
フラッグがゆれているのが見えた。 ブラックの旗と同時にゼッケン147
俺じゃん。
まじ?! そう黒旗。 これはゼッケンと一緒に出され、すぐにピットインしなさいとの命令。
外から見てマシンの異常があった場合に出る旗だ。
ピットインのためにコース端を走行しながら、マシンチェック。 ピットに戻ってすぐに指示が出せるからだ。
金魚鉢がゆらゆらしているよぉぉ 涙
佐野製の金魚鉢のおかげでステーが折れてしまっている。
ジャリと草が水抜きの穴を埋め、雨が満タン状態だ。
そう、私の交代時にも 金魚鉢ごとコースインを果たしてしまったのだ。
ピットに戻り、ステーを修復してもらっていたら
オフィシャルが来て マフラーから煙が出てるっぽいから黒旗出したんだよね。と
エンジンかけてと言われ始動。 マフラーからは白煙は出ていない。(出きった?)
エキパイに巻いていたウールから煙がモウモウ上がった。
これが水を吸って蒸発してたんだね。とコースインを許された。
だいぶ損したがまだ、何とか2位を維持出来そうだ。
コースインして後、15分ほど
早く終われー。
ガク、ガク・・・ 嫌な感じがした。
こ・・・この症状は
ガス欠
来た。ついに来た。 バルブガイド破損の為、高回転維持をしないといけなく
燃費が悪くなっていた。 計算とわずかなズレが出てしまい、まさかのガス欠。
とにかく、リザーブだ!
コックを切り替え、超、
超、
超、燃費走行をする事に。
スロットルは半分以下、ダウンヒルストレートはエンジンカット。
残りは10分だ。 という事はあと、3周も回らなければいけない。
無理無理。 絶対無理。
どこかで絶対に止まる。
悩んだ。 チェッカーを受けるのであればピット側でも受けれる。
つまりピットに戻って7時間が経過するまで待機。 チェッカーが出てから押してゴールラインを通過
すればチェッカーが受けれる。
しかし。その間、周回は出来ない。
僅か1周でもレースの順位で言えば天と地だ。
ここはチェッカーなんて見ないで良い。 旗なんて興味ない。
止まるまで行こう。
どこで止まるかドキドキしながらゆっくり走行する。 最後に見たのがラスト5分だった。
1〜2コーナーを抜け、3コーナーをアウト側を走り、4コーナー立ち上がった瞬間。
キャバクラ号のレースが終わった。
マシンを左右に振ってガソリンホースを握って揺らしてみたりしたが、エンジンに再び火が入る事は無かった。
皮肉にも全てのガソリンを綺麗に使い切るようにしたのは自分だから無駄なのはわかっていた。
コース脇にマシンをよせ、早く終われと祈りながらレースを見ていた。
7時間の長丁場が終了した。
長い戦いだったが、あっと間にも感じた。
最終的には着順で8位、順位で5位と涙が出るくらいくやしいレースでした。
雨の中、手伝ってくれた女性陣、前日レースで疲れている所手伝ってくれたチーム員。
各、応援、お手伝いして頂いた皆様、ありがとうございました。
今年も皆様のおかげで楽しくレースを終える事が出来ました。
また来年! 勝ちに行きます。
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