もて耐ウィーク突入!  
さて、あれほど楽しみにしてきた、「もて耐」  いよいよ近づいてくるとこれほど憂鬱な物は無い。笑

なんでって? 「怖いの!」   だって290KMとか平気で出ちゃうんだよ? それだけならまだしも

その後、曲がるんだよ??  怖くないわけないじゃんか。


と開き直りつつ、もて耐だ。


エントリー関係は全て、戦うクリーニング屋、「仁さん」 に任せた!

もうすでにもて耐常連になりつつあるので大体の事は把握している。

私、そういうの苦手な人なので。  受付から、車検まで全て当日の仕切り役です。

長谷川さんは、何聞いても 「おまかせで!」  だめだ。  とにかく楽しく参加して。笑


この辺の書類関係はやはり非常にめんどくさいもの。 役割を決めて動くのが一番効率が

良いのです。  (それでも書類不備はたくさんでますが)


最後の公式練習に参加、 予選前日の金曜に30分が2本、1時間が1本あり、最初の30分

2本は仁さんと長谷川さんに走ってもらい、とにかく早く慣れてもらうように。


2人ともびびりも無く、「まだまだいけます」と心強い言葉。  

よし! ここで最後の1時間、 まさひろさんと交代でマシンセットを出しつつ、タイムアタックだ!



まずは重要なのが燃費。 もて耐では、1回の給油が20リッター。 それで給油した時はかならず

5分の停止。  この5分、かなりでかい。  なにせもてぎ2周半だ。

レースにおいて2周の差は天と地の差。  なんとしても他チームより1回でも給油を少なくしたい。

2006年YZF-R1はインジェクションだ。 もちろんこの年が初のイジェクションでは無いが

プロップマンでは初インジェクションレーサー。 


セットのしかたもワカラナイ!

レース用のメインハーネスとイグナイターに交換してあるので燃調はメーターのボタンで出来る優れもの。


スロットル開度、回転数で判断して、どの領域をどうやって燃料を送るか合わせるわけだ。


毎回練習の度にセットを変え、データを取っていたがいかんせん走行時間が少ない。

この最後の走行で何をテストするかが重要だった。


まず、一番影響力の大きい領域の、セットを大幅に絞ろう。 これでもし異変があればすぐにゆっくり戻ると

私の走行でかなり絞ってみた。  

交代時には簡易的に満タン測定にて燃費を知る。  コースイン。 


上まで加速するのがはえー!  すげー!  これはすごい。今までの加速じゃない。

これならタイム出るかも。   やる気が出てきた所で、アタック開始。

薄すぎて壊れる感じはあまりしない。 


サインボードを見ると 「10秒」  「9秒」 「8秒」   ???     うそですよね??


走りながら考えた。   奴らめ、うそのタイムを出してやがるな!


このペースでこのタイムはありえない! 俺もそこまでバカじゃない。

「8秒」を繰り返してる。


もう耐えられん。 ピットインだ。


石井:「今のタイムは本物か??!!」  

ピット:「うん・・・ ほら」とストップウォッチを出す。


アリエナイ。 アリエナスギル。


すごい良いペースで走ってる感じがしたとまさひろさんに伝えて

交代してみる。  しかし燃費は良い。


まさひろさんもタイムは出ない。   戻って打ち合わせだ。   やはり燃費は良い。

すぐに打ち合わせをした。   結局、薄くしたみたら、加速は鋭くはなったが

スロットル開け始めからのトルクが減少していて、実はその瞬間にゴボって濃いなと感じる所がすごく

前に進んでいる。なのでそこを薄くしたおかげでスムーズには感じるがタイムを出すにはちょと乗り辛い。

じゃあ、燃調を前の状態に戻そう。 ポチポチと。

すごく簡単。 便利な世の中だね。

まさひろさんがアタックしてみるが、タイヤがいちびってます。と転びそうになった瞬間のコメントが優先で

タイムは出ません。  あーあ。練習終わっちゃったよ。

ちょっと悲壮感が漂っているが、レース2週間前に行った練習時のセットに戻せば何とかなるかな。

小雨が落ちてきてる時に流してて、しかも前で転倒があって赤旗が出てゆっくり回って戻った時に

7秒5だった実績が背中を押す。(ダイジョブダヨ)と小声で。

とにかく、燃費は良いがタイムは出ないよ仕様と、タイムはそこそこ出せるけど燃費悪いよ仕様が決まった。

この時点で取れたデータでは重要だった。

明日の予選は燃費関係ないからタイム出る仕様で行こう。




                       ☆2006年7月15日(土)  もて耐予選当日☆


一夜開け、天気はぴーかん。予選前日は宿に泊まり体をゆっくり休めた。

うーん。こんなに眠気の少ない予選は初めてかもしれん。


私は2002年にR6でもて耐に参加した以来、大きいバイクでのレースは初。  実に4年のブランク。


少しだけぽっちゃりした体系も心配させてくれる要素の一つだ。

いつもライダーにえらそうに「行け!」とか言ってますが今日は「みんないままでごめん。」

と言いたくなるくらい緊張。 怖いもん。

リッターマシンなんて乗ったの初めてだし、合計で1時間半も乗っていない状態でもて耐予選って

どういうことだ。 

でも私が参加したもて耐はこんなのんびりしてなかった記憶が・・・  もっとこう・・ 殺すぞ!的な空気が

あったのだが、今日はなんだかのんびりだ。  何せ予選時間が40分もある。全日本並みだ。

40分もあればあんな事や、こんな事も試せるな。前日からイメージトレーニングだけはかかさないように

していたので試したい事がたくさんあった。

その中の一つの「ウイリーしてホームストレート」を考えていたのはオーナーには内緒でお願いします。


さて予選は台数が多いのでA、B、C組に分かれて、第一と第二ライダーがタイムを出すべく走ります。

つまり、第一のC組と第二のC組があるんです。

そのタイムの合算タイムで速い順に並んで、66台までが予選通過、7時間耐久へ進む事が出来ます。

その66台に入れなかったとしても3耐が2回行われ、参加した人全てがレースが出来るという仕組みです。


開始早々、タイヤの皮を剥いて、いよいよアタック開始と全開に。


その時にガソリンが「ブホっ!」  え”?

実は24リッタータンクを作った時に、入りきらない状態になりました。 中にエアが溜まってしまうんです。

構造上どうしてもエアが抜けない。 なのでパイプを曲げ、中のエア溜まりの部分に溶接して

給油時に注射器でエアを抜く構造にしていたんです。

そのままだと、ガソリンが吹き返す可能性があるのでコックをつけて給油時だけONであとはOFFに


していました。 でも少しだけON気味になっていてガソリンがキャッチタンクに少し吹き返してしまって

慌ててピットイン。  まあでも40分もあるしねぇ。

タイムアタックを開始。   昨日とはトルクが違います。 まだ慣れていないせいもありますが

どうしてもコーナーでの回転数が低くなってしまいます。

ただぴったり合わせるように入るとウイリーが止まらなくいつまでも全開に出来ないジレンマもあるので

回転数的には2速で回りたいんだけど、無理だから3速で。というセッティングになっています。

つまり3速で加速する時にどうしても一度パワーバンドを外してしまうので、そこのトルクが重要だったのですな。


タイムを見ると今日は6秒に入ってる。  これなら良いな。

クリアラップを探し、ペースを調整するがどうしても無い。  とりあえずなんでも良いからタイム上げるか。

と判断して、抜きながら2分4秒3 まで持っていく。

これで予選通過は問題ないな。  更にペースを上げるべく、走行してると中々、「開けられた」周が

ありました。でももうラスト2周の段階だ。これでダメだったら4秒決定だな。

ダウンヒルまではかなり良い感じだ。  その時見えたのが「黄旗」  追い越し禁止だあ。

悩んだ。かなり悩んだ。  だってさ。   ピットインするのに手を挙げてインに寄ってるライダーが

90度のクリップにいるんだよ。  私は50m看板付近にいる。

勢い的にはインを1〜1.5メーターほど開けて、そのライダーをよけて走ればタイムの影響はほとんど無い

だろう。   でも黄旗なんだよ。  こんな時、貴方ならどうしますか?

1、黄旗とは言え、すでにピットに戻る戦う気の無いライダーはライダーとみなさないので 
  遠慮なく抜く。これは違反では無い。

2、ペースダウン走行だとは言え前にいるのは間違いないので法令順守だ! 抜かない!

3、ぶつかる。


悩んだ末、 3を選んだ。  うそです。  2を選びました。

そんな事でコントロールタワーに呼び出され、怒られるのはイヤだ。

そこまでの状況でも無い。 あきらめ。

黄旗はセカンドアンダー出た所で解除のグリーンが出ていたのでそこだけ我慢して

ビクトリーコーナーに進入。  そこでも全走者はいた。

しかも そこでも「黄旗」   まじですかぁ・・・


抜けない。 抜けない。   ホームストレートに戻ってみたが、その瞬間、完全に集中力が切れてしまい

ラスト1周残してピットイン。  結果は4秒3。  まあ7耐出れるでしょ。







各組の予選がたんたんと進み、今年は大きな事故も無く良い感じだ。  いくら私のタイムが決まっても

第二ライダーのまさひろさんがタイムを決めないと予選も決まらない。

後はまかせたよ!


C組第二ライダーの予選が開始される。  まさひろさんは比較的落ち着きはらっている。

さすがに数年のキャリアか。

まずは公式計測が出ないと成立しないので10秒前後で流して戻って来てね。


9秒で戻ってきた。  よし!これで予選は通った。

残り時間はタイムアタックを好きにやってもらえばいい。

徐々にタイムを上げるがかなり他のライダーと戦ってしまっている。 予選では自分より少し速いライダーに

抜かれた時が一番タイムが出せるのだが、タイム的には8秒くらいのライダー数人に絡んでしまっている。

ここを抜けるか、引いて欲しい所だが、なんとか抜いて前に出た。

ラスト10分で一度入れるよとピットに指示。   一度入れて一息つかせるとタイムが上るんですな。

ラスト10分。  ここでボードにピットインの指示を出して。

しかし戻ってこない。  何かストレートで謝ってるし。

次の周には戻ってきた。  でもこの時のタイムが7秒3だ。

良い感じだ。  汗を少し拭いてマシンの状況を確認、 水温115度。ありえない。やばい。

私が走ってる時でも98度だった。  戻ってきてアイドリングでどんどん上っている。

「すぐコースインして風当てて!」  もう予選が大丈夫だから思いっきりアタックしろ!


コースイン。1周して計測開始。  これで何秒出るかだな。


帰ってきた!。 今年はなぜか赤いマシンが多い多い。  ゼッケンベースの黄色は決まっていので

前から見るとみんな似てる。  ピットも混乱しつつ、まさひろさんのダサイ青いツナギを探す。


来た!    ぽち。   6秒3!  いえーい!!!


やった。本人のベストタイムだ。

すばらしきかな42歳。  これで後はグリット結果を待つばかり。


整備もやる気が倍増してきて、キャリパーなんか洗っちゃったりしてました。


次の日は3耐が開催されるので一日お休みになります。 夜にチーム員でメカニックになってくれる

人たちが集合して、タイヤ交換の練習をします。タイヤ交換といってもタイヤレバーでぐにぐに変えるわけでは

ありません。スペアホイールにあらかじめ新品タイヤを組んでおいて、レース中に交換をするんです。

給油時は5分停止なので、その間に作業をします。

給油中はマシンを一切触ってはいけないので、給油が終わってからになります。

おおよそ給油で1分かかりますので、残りは4分。 この4分で作業が終われば問題ない。


ちゃんと耐久仕様にして作業すれば、過去に28秒と言う記録もありますが、そこまで慌てなくても

良い。 目安は2分切り。  後の時間でマシン拭いたりチェックしたりする予定です。

夜集まってくれたのが、永易さん、齋藤さん、ゆーすけ、かねまっちゃん、ヘルパーで先生や各彼女さん達。

決勝当日の朝にしげ、張さん、ひとしさんが入る。

しげは私の下で昔仕事をしていたのでタイヤ交換要員にはかかせない。リヤを担当してもらいましょう。

マシンを触れるのが4名までだ。  今回苦戦しそうなのがフロントタイヤ。ブレーキキャリパーを一度

取らないとホイールが抜けないのだ。 ステーをカットして専用ステーを作り、キャリパーの上を削れば

キャリパーを外さないでも取れる構造に出来るのですが、新車だし、時間もそこまで慌てなくても

問題は無い。と判断。 これがレギュレーションで5分の停止義務が無ければ間違いなく切り落としますが。

リヤは私が試しにやってみたら1分で出来ましたのでしげ一人で全く問題ないでしょう。

フロント右側担当、永易さん、左側担当 藤田、 アクスルシャフト担当かねっまっちゃん。

色々と工夫しながら1分40秒台が出せた。  これでOKでしょ。

この日は遅くまで作業しないで晩御飯に向かう。  そこでミーティングをしました。


燃費的に考えられる最善の作戦を立てても昨年の16位のラップ数を超えるのがかなり難しい。

後はペースを2秒くらい落とした時に燃費がどれくらいになるかで勝負が決まる。

昨年はYZF-R6で全員が全開で走ってもリッター8以上という高燃費を実現。(何もしてないが)

今回は全開ペースだとリッター5〜6くらい。まずいぞ。 


とにかく給油ランプが作動するから付いたら戻って、何周回れたかで都度燃費計算して

作戦を立てようとなり、この日はもてぎに戻り車で寝る事にしました。





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