propman.jp ワシ 2005年のプロップマンワークスチームです。
(チーム人柱とも呼ばれています)
propman.jp ワシ ライダーは私、鬼監督の石井博幸と長谷川修栄、林均、今尾次郎
の4人だ。 私は相変わらず参加するつもりはありませんでした。
なぜって全ての台数分のチームのメカニック作業をしなければいけないのにライダーなんて
できまへん。 無理っす。
昨年の段階で上記3人はライダー確定していた。 「残りの1人どうします?」
そこで長谷川さん。 「石井さんですね」 ・・・・ 話聞いてないっすね・・
どうやら長谷川さん石井さんが3から4人いると勘違いしているみたいです。
石井さんは一人です。 お間違いのないように。
もういっすよ。出ましょう。 でも今年はスタートライダーはやらないですよ?
長谷川さんが走るチームは毎年プロップマンワークスチーム。
まったくミーティングとか何もしない。何故ならマシン作りはデザインからエンジン仕様から
何から何まで私に任せっぱなし。 「おまかせします!」で終わりです。
しかし今年はちょと違う。なんとミーティングを開催しました。
訳あって、次の鈴鹿などにマシン作りの費用をかけたいので今年のDE耐は抑え目で・・・
一同了解。 オーナーの意見には従います。
簡単にカウルくっつけてエンジンはNEWエンジンスペシャル組んで、足回りは簡単にディスクで・・
まあでももてぎはエンジンでかなり決まってしまうのでNEWエンジンさえ組んでしまえば
タイム出るでしょ。 今年の仕様は石井さんのオリジナルエンジンです。
という事はワシさんチームは、比較的マシン作りも簡単です。他のチームがかなり大変でしたので
先に手を付けて・・・ こつこつマシン作りをしました。
レース2週間ほど前
長谷川社長「 石井さん、やっぱりすごいの作りません?」
石井 「・・・今からっすか?」
長谷川社長 「 17インチ化してテクマグ入れて、ボルトオン補強作って、オーリンズ入れて・・・」
誰か長谷川さんの電源切って下さい・・・
石井 「無理っすよ! もうすぐレースですよ?! まだ5チーム分の
エンジンさえ組み上げてないんですから!」
長谷川社長を丸め込み、なるべく時間が許す限りかっこいくしますと約束。
危ない危ない、火が付くと燃え尽きるまで燃えてしまう人だ。 カウルなど見栄えの良い物を探して
発注。 うーんサスとかも見栄えが良いのでとネットでお安くかっこいいのを発注。
他のチームのマシン作りが思ったほど進まず、苦戦を強いられながら毎日部品の大量発注をする。
はっきり言ってわけわかりません。 昨年から進めていたマシン作り、しかしなぜこんなに
ギリギリまでかかってしまうのか? それは他の仕事が忙しいから。
いやいや、実はやっぱり人間欲ってのがあるでしょ?
すこしマシンが出来上がって速くなると、もう少し、みたいにね。
つまり昨年考えてて「現実的には無理ですな」の数年計画で作成する
エンジンが1ヶ月で作るハメになってしまったんです。
しかも5チーム。(ひよこは名前の通り子供の集まりなのでお安いエンジン仕様です)
そんなこんなでレース2日ほど前にカウル装着が終わり、前日に塗装といういつも通りの日程で
マシンが出来上がりました。遅すぎです・・・
なんとかかんとか最後の公開練習に間に合わせ(ライダーとマシンを送り出したのは朝方です)
私は久しぶり?に家に帰り、お風呂に入りもてぎへGOしました。
先発隊にピットを取ってもらって受付まで済ませてもらっていましたので指定されたピットへ。
この日の走行はハヤブサ、タカ、ワシ、カモメです。ヒヨコは・・学校です 笑
レースがどんなに忙しくても練習不足でも学校を休んでサーキットに来る事は
プロップマンで禁止しています。 こんな日でも奴らはお勉強です。
若干一名おっさんひよこもいますがこの日は仕事がどうしても休めず不参加で。
他のチームでも全員参加している訳では無く各チーム数名です。
練習というより慣らしとセッティングに費やし、この日は終了。かもめのバルブが曲がったのが
大きなトラブルでしたがはっきり言ってもう簡単です。慣れていますので即交換。
しかしその後なぜクリアランスがあるのにヒットするか判明。まあそれは後で説明しますが。
明日は泣いても笑っても決勝ですので整備に時間がかかります。
他のチームはほとんどが作業していない中、プロップマンはエンジン組んだり、
その他の基本整備をしています。
夜ホテルに入り、(っていっても夜中ですので泊まる意味が・・・来年こそは!)
体を少しだけ休め、朝早くまたもてぎへ。 起こされた時は、「は?!今、目をつぶったんだよ!」と
誰にぶちまけて良いかわからない怒りを持ちつつもてぎに到着。
定例の給油開始です。 ガソリンタンクを外せる状態にして車両ごと持って行き、
オフィシャルさんにガソリンタンクをふりふり確認してもらい、
残ガスを捨てます。結構フリフリされます。
空になった所で規定の3リッターを入れて頂き車両にセット。そこからしばし車両保管です。
車両保管されている間、恒例のライダーズブリーフィングが開催されます。 百五部さんの
大声でご挨拶。 なんとなくノリノリな感じ。
各関係者様の挨拶や注意事項などのありまして、みなさんホームストレートにベタっと座っています。
ひそかに今年のもてぎエンジェルがかわいいと噂が私の耳に・・・
車両保管も解除され
いよいよ、レース前に走行が義務付けされている2周の走行が開始されました。
この2周は最初に入れられた3リッターで走らなければいけないのでトコトコをゆっくりまわり
ピットイン。
さてスタートはどうしましょ? 小雨も降ってきてるので「石井さんで」
了解、まあ雨だと経験者のほうが有利ですからね。
ピットから出て1周まわり、グリットにつく。
壁側にちっちゃく座ってるのが私。
さて私達、ワシさんチームは14番手グリット。
どんな位置かと言うと
1コーナーはこんな感じ。
最終コーナー側はこんな感じ。たくさんいます。
この台数から考えると、はっきり言ってフロントローみたいな位置です。
更にスタートの練習で一周回ります。ヨタヨタとマシンに駆け寄りゆっくり回ります。
3コーナーで一台アウトからかぶされ感じの悪い抜き方をされ、更には私を睨みつけています。
「誰だ?こいつ?」 ツナギのオーダーっぷりから考えてかなりのやり手ライダーといった感じ。
抜かれた後背中を見たら、知り合いの国際ライダー。 ガソリンがもったいなかったのですが
並んで幅寄せ。 そんなこんなでいよいよグリットへ。
カウントダウンが始まる! この時の注意点としては場内放送の秒読みは無視する方向で・・
反響して反響して、時計とかなりずれてきます。 これは前からしっていたので
もてぎエンジェルを凝視。 エロ目的ではないですよ? 奴が旗を振るのでしょうがないんです。
ハタっ と同時にダッシュを決める。 マシンにまたがった!
ぶおー アウトめい一杯まではらまない感じで1コーナーに進入する。
6番手くらいでしょうか? 1〜2コーナーで無理にインさされて転ばれても嫌なので
わずかに開けて加速。
余裕を持って3コーナーに向かう。 3コーナーでも進入ロケットを食らうのが嫌なので
余裕を持ってセンター寄りで進入、ゆっくりインをみながら加速。
さてここからNEWエンジン全開で!
ウォー なんとも言えないトルク感です。 軽く数台をパス。
130Rに入る手前では2位に浮上。 トップは振り向いていた。
てへ♪ どこで抜こうかな?
ヘアピンまででさよならして、 トップに立つ。 ダウンヒルストレートを加速。あまり無理はしていない。
さらっと後ろを振り向くと数台が4〜5秒後ろをついてきています。
セカンドアンダーを抜けると、
「パシャパシャ!」
フラッシュがすごい!
あれ?俺ってヒーロー? と勘違いしてしまうくらいです。
ホームストレートをトップで帰って来ましたので何かやろうかと思ったんですが、
後ろに速いのが付いてきてるし やめとこ。
数周回った所でダウンヒルストレートエンドのごちゃごちゃを抜けようとした瞬間。
目の前に素敵なスピードで走行中の女の子が突然現れました!
「う”お”!」 危なく激突しそうになり、避けた反動でコースアウト寸前まではらむ。
その間に3台ほどに抜かれ4位に転落。 ありゃりゃ。
まあこのまま付いていくのが楽かどうしようか悩みましたが、ホームストレートで
全て抜き返してしまい、ふたたびトップへ。 私の予定では 流して46秒前後で回りたかった
のですが、(何せ7時間ですから) トップグループはそうさせてくれません。
しょうないのでペースを合わせ44秒くらいで周回。
たまに魚雷のような勢いでコーナーに入ってくるので無理に抑えず、直線で抜き返し
またトップへ。 そんな事していたらサインボードが見えない事が判明。
あれ? 私はすぐ交代してガソリンを溜める役でしたが、そろそろだよなぁ?
ホームに帰ってくるとボードが ツラツラツラツラ〜と並び、みえません。
ふっとコーナーポストを見るとSCだ! セーフティーカー導入。
これは今何周だろうとピットインだ! とすぐさま給油所へ。
結局私は6週のみ。 44秒しか出しませんでした。 給油隊にタイムカードをお願いし
10分停止。 「そろそろだと思うんだけどなぁ?」
給油隊 「 あれ?石井さんもう10分とっくにたってますよ?」
「は!!????!!!」
タイムカードはすでに押されていた。 ありえない・・・・・ 今回の給油隊は初めて参加でした
が10分たっていても出て行くのは順番だと思っていたらしい・・・
慌ててピットロードに出るがすでに差を付けれらている!
長谷川社長に交代。
さて私は着替えてモニターを見ながら、かもめの状況とレース全体の状況を見ていました。
そこで長谷川さんのペースが上がらない事が判明。
?? なぜ? 3分くらいで帰ってくる。 もう少し様子を見るがやはり3分くらいだ。
おかしい なぜ? 私が走行中にカウルの先端が地面にフルバンク時に擦ってしまうのが
あったのでそれで恐がっているかもしれない
北ショートでも軽くステップを擦ってしまっただけで2秒3秒落ちてしまう。
とりあえず様子を見てみる。やはりタイムは出ていない。 何があったんだ?
昨年はタケガワの124ccキットで49秒は出している長谷川さん。こんなにおそいはずがない。
作戦通りのピットインの時間になったのでサインを出す。
DE耐では給油時は10分止まらなければいけないので中々帰ってきません。
そろそろだな? とその時、長谷川さんがピットロードを押して歩いて帰ってきた。
「どうしました?」
「途中から振動が大きくなってきてピットから出ようとしたらエンジンかからない???」
?
キックしてみると・・・・・・・ バルブ曲がってます。
とりあえずその場にいる人間で作業を手伝えそうなライダーを集め、ヘッドを降ろす。
エイプはフレームが邪魔していてエンジンが車載状態だとヘッドが降りない。
うちはスタットボルトをまず外し、ヘッドを横にずらします。 あちちちち
良い感じで熱いです。 ヘッドを降ろしてみると、やはりインテークのバルブが曲がっていた。
新品に交換。 速攻で組む。 組み上げまで約30分のロス。
まあ上位には行けなくなってしまったので今尾さんと均さんに全開走行してもらいましょう。
それで出た順位が今年の順位ですね。
今年のマシンはクルクル曲がる仕様。 とても良く曲がります。 その感覚がうまく掴めず、
タイムはイマイチ。 今尾さんに交代。
今尾さんの走行中、ピット上で牛串食べて見てました。(ごめんなさい)
今尾さんとっても楽しそう。 4コーナーから5コーナーまでで数十台抜いてんじゃね?
って言う周もあるくらい。 タイムの後半になればなるほど上がり
50秒も前半に突入。 レース初心者とは思えない熱い走りだ! マシンも伸びてるな。
とその時、またエンジンブロー! 1コーナー手前でロックする!
なんとかかんとかこけないで止まった!
今尾さん「 恐かったぁぁぁ (TT)
良かったこけなくて、
「クラッチ切らなかったの?」
「いっぱいいっぱいでそれどこじゃなかった 涙」
マシンをキックしてみると降りない・・・ またバルブが折れたようだ。
トラブルの原因はこの時わかった。 カムチェーンテンショナーの縦スライドをロックしている
ボルトが抑えきれず、滑ってしまいバルブタイミングがずれる。 バルブヒット!
グチャチャッチャチャチャ〜! ってな感じ。
パワー上がるといろんな事が起きますわね。
前日までに出ていたトラブルは全てこれが原因。
残念! ここでワシさんはリタイヤ。 人柱でした。
明日のマシンの対策をするぞ! この部分はM6のボルトですが、かもめはさらにネジ穴が
ナメってしまっていたので前日にM8に変更したのですが、それが幸いして7時間滑らなかった。
結局、かもめが5位、ワシはリタイヤの土曜決勝でした。
エンジンにしても車体にしても色々な事にチャレンジして参加するのがこのチームの役割
です。 オーナーである長谷川さんの「あれやりましょう!これやりましょう!」は
プロップマンの全ての原動力となっています。
レースが終って、そろそろ05モディファイとかにして煮詰めません?と言いましたが
長谷川さん 「いや、毎年DE耐マシンを新しく作るって決めちゃってるからダメ」
石井 「 ・・・・・・・・・・ 」
恐ろしい人だ。 今長谷川さんが「来年は水冷だねぇ! 」と言っていますが
実現させられそうで恐いです。
propman.jp ワシ のチームメンバーです。
長谷川修栄
もちろんオーナーです。 そのガッツ溢れるライディングと根性は
若い人なんかには負けていません。
林 均
長谷川さんの奴隷です。 もの凄いガッツのあるライディングを余計にしてくれますので必ず転びます。
すごくおもしろい人です。(見ていて)
今尾次郎
おっとりとした風体からは想像できないガッツを感じています。
04DE耐のピットクルーでしたが今年からはライダーです。
石井博幸
全てのチームの監督ですがワシチームのライダーも努めました。
鬼監督と呼ばれていますが、実は鬼です。